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仕事はそつなくこなし、評価も悪くない
今の会社に入社して早7年目。 新卒で採用された一部上場の大手ITメーカーで、最初に配属された法人担当の営業職としてずっと働いている。 普通は3~5年で転属が決まるが、僕は運良く(運悪く?)大手クライアントからの指名もあって、少し異例の7年目だ。 特別なことをした記憶はないが、飄々としたこの感じを受け入れてもらえたのかもしれない。 特に突出した成績を残したことも、反対にノルマを大きく下回ったこともなく、自分でも「そつなくやってるな~」という印象。 自分で言うのもなんだが、要領のいい方だと思う。お陰で残業することもあまりない。 ただし、課の課長には苦い顔をされている。もっと頑張れば成績あがるんじゃないかと。 そうかもしれないが、仕事はそこそこでいいのだ。出世欲もない。 それよりかは週に2度、仕事終わりにジムにいくことや、週末のんびりと過ごすことの方が重要だったりする。休みの日は趣味に費やす。楽しいけれど……
陶芸が好きだ。初めて1年ほどになる。 きっかけは些細なこと。今の部屋に引っ越した際に、転入届を出しに役所に行った。 そこでたまたま目にしたチラシがきっかけで、何ともなしに行ってハマってしまった。 それまで趣味という趣味のなかった人間の、初めての趣味だった。 ろくろを回す時間が、癒しを感じる瞬間。 特に、器の形に成形する前の、何でもない土の塊から形を整えていく工程が好きだ。 なんでもないものが、なにかに変わっていく瞬間。 僕もまた、なんでもないものから、なにかへと進んでいけるような気がしてくる。 陶芸は、月に2回だけのささやかな楽しみ。 それ以外はショッピングしたり、読書したり、映画を観たり、至って普通の休日。 楽しくないわけじゃないけど、ハリがない。 独りで過ごすのも飽きたな、彼女でも作ろうか。 ってすぐにできれば苦労してないけど。前の彼女は1年前。それ以来、出会いなし
今では営業部門にも女性が多くなった。 と、30代の先輩たちが口を揃えて言う。 彼らが入社した当初はもう少し体育会系だったそうだ。そんな時代だったのかなと何となく感じる。 女性の活躍促進なのか、働き方改革なのか、ともかく以前に比べると女性の割合は増えたそうだ。 だから出会いはなくはないが、そもそも僕は社内恋愛を好まない。 何度か関係がおおっぴらになり、面倒くさい噂を立てられているのを見てきた。 中には不倫関係までも、隠している本人たちを尻目に格好のネタにされているのを見る。 見れば見るほど、社内では恋愛すまい、と心に誓う。 そもそも、営業に向いているような、明朗快活でコミュニケーション能力の高そうな人種は、おとなしい僕のようなタイプは眼中にないだろう。 いいのだ、こちらから願い下げだ。 前に付き合ってた彼女は、1年ほど前に別れた。 学生の頃から付き合っていたが、社会人になって、別の会社に入ると、やはりすれ違いも起きる。 毎日顔を合わせていたのが週1になり、月1になり、会えない月が増えると、もはやどうでもよくなった。 今は向こうには新しい彼氏もできて、楽しくやっているらしい。らしい、というのはSNSで偶然見かけたから。 見に行ったわけじゃないよ、たまたま見かけただけ。 会社での出会いもなしだと、あとはプライベートで探すしかない。 ろくろを回すカルチャーセンターはおばさんばかりで、チヤホヤしてはくれるけど、そういうことではない。 合コンや飲み会の類も、なかなか自分を出せなくて上手くいった試しがない。 友人の紹介?いやいや、それも後々面倒くさい気が。 と、現代っ子と言われそうな感性の自分。 ふと、出会い系アプリってどうなんだろう、と思い立った。 僕もTwitterやFacebookはやっている。匿名だったり、あまり更新はしていないけど。 最近はそういう出会いも普通だと聞く。と、テレビで言っていた。 どうなんだろう、見るだけならタダかな。 別に自分の名前や顔を出さずに、閲覧するだけなら試してもいいか。 うん、なんだかそんな気がしてきた。 とある週末。 初めて、出会い系アプリ「Pair’s」(ペアーズ)をインストールしてみる。あわせて読みたい

【エピソード1】どことなく見え隠れする、君の面影ネット上でパートナーと出会った人は、結婚後の幸福度が高い。
なんてことを、最近は有名な大学が調査して発表する時代だ。
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